野菜の安売り合戦 Vol.1


生鮮品に限らず、日本という国ではありとあらゆるモノ・サービスの安売り競争が日常化しています

客寄せのために一部商品などで戦略的に安売りを行う場合もありますが、特に「戦略」があるわけでもなく、ただただ「いいモノを安くお客様に提供するのが是」という考えのもと、幅広い産業で安売り合戦の様相を呈している気がします。

確かに、いち消費者として、幅広い商品が方法によっては安く手に入ることは助かります。とくにAmazonや楽天といったECサイトでは、キーワード検索した商品が安い順でソートできるので、ある意味価格比較の機能をもっていて、同じ商品なら一番安いものを買いたい、といういち消費者のデマンドを満たしてくれますね。

かくいう私も、ご多分に漏れずできるだけ安く買い物を済ませたいと考えるひとりです。

「無い袖は振れない」と言いたいところですが、これは本当に長い目で見たときに、自分を含め日本経済全体で持続可能な消費行動なのでしょうか?

農家になって、モノ(というと味気ないけど、手塩にかけた大事な野菜たち)を人様に届けて、対価としてお金を受け取る、という立場になって1年以上が経ち、いま改めて、野菜の安売りとその行く先について考えてみました。


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私なりの結論を先に述べれば、ずばり「安売りの行き着く先は闇、泥沼、一億総アンハッピー」です。

ミクロに考えれば、「あれがたったの◯◯円で買えた!ラッキー!!」なんですが、マクロに考えてみれば、安くでしかモノを売れない(利幅が狭い)企業は働くスタッフに満足な給料を払うことができず長時間労働やサービス残業が横行し、あるいは安売りでも利益を確保するために、そのツケは自社スタッフだけでなく、下請けいじめの形でサプライヤーに向かうかもしれないし、なにより一生懸命作り出したモノ・サービスもコモディティとして安売りされては、それに関わるスタッフの士気は下がる一方。儲かっている実感が感じられなければ仕事も楽しくないし、社内の風通しも悪くなる一方です。

そのうちのスタッフひとりを自分自身に当てはめて考えてみれば、私生活で懐事情的にカツカツなわけですから、自分もモノ・サービスをできるだけ安く買いたいと考えるのは当然のこと。

ここで生まれるのはデフレ・スパイラル以外の何物でもないと思います。つまりは悪循環が生む悪循環。

 

何が言いたいかというと、相変わらず日本の産業という産業がこぞって「安売り」を是として、いつまでも勘違いをしていたら、このスパイラルから抜けることは半永久的に不可能ということです

日本の消費者層は、長く続く不景気のなかで高所得者層と低所得者層に二極化していると言われます。中間所得者層が低所得者層に流れていった結果です。

とある識者は、殆どの企業が低所得者層向けにモノ・サービスを安く提供する方針でビジネスをするようになったため、お金を持っている富裕層が買い物難民化している、という表現をされています。

富裕層のみならず、仮に低所得者層であっても、「安い」ということを購買動機とせずに、むしろ「高い」ことに安心感や信頼感をおぼえて購入するという一定の層がいることがかなり看過されているようです。

日本の経済を立て直すには、まずは資本力の乏しい中小零細企業が、大企業の真似事(資本力で薄利多売or勝者パイ総取り狙い)をやめて(というかナンセンス)、富裕層(上流層)にターゲティングして、商品やサービスのもつ価値を十分に反映した適正価格(単なる売上原価や販管費だけでなく、将来さらに企業体として発展・成長するために必要な未来コストや投資も含めた価格)をつけた上で売っていくべきじゃないでしょうか


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それに、売値を2倍にした場合に利益が同じ2倍になるのではなく、それ以上の倍率で増える(3倍や4倍など)になることは、すでに会計学的には一定の事実です。

仮に売値を適正である2倍の価格に設定して、利益が4倍になったとしたら、全体として同じ利益を確保するには販売数量は1/4で済むということを意味します。販売数量が少なくて済むということは、販売スタッフの人件費を抑えることもでき、販売インフラも小さくて済むために固定費が減ることも期待でき、なにより時間にゆとりが生まれて、その分クリエイティブな思考ができるようになります。

人間、忙殺された状況下では到底イノベーティブな発想は沸き起こってこないのではないでしょうか。それに、時間に余裕がなく常に時間に追われているような状況のスタッフは、お客さんに対しても満足な応対はできないと思います。どうしても事務的になったり、場合によってはイライラしながら接客することもあり、それはすべてお客さんが敏感に感じ取るでしょう。

そういったことからも、「安売り」というのは最悪のビジネス手法と言えそうです。

 

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