マメ科作物の「雑草二毛作」?


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雑草二毛作」ということば、たまたま今朝思いつきました(笑)

それが何のことなのかはあとに譲るとして、実はここ数ヶ月、ずっと頭を悩ませていた課題がありました。

それは、マメ科作物の同一畝での毎年の作付けについてです。

根粒菌の働きでどうしても作付け後に土壌の窒素量が多くなりがちな(C/N比が下がる)マメ科作物ですが、ここ三田市は丹波篠山市のすぐ南側に位置しており、丹波黒大豆の産地でもあります。

なので、多くの農家さんが結構な面積で丹波黒大豆を毎年栽培されており、ご多分に漏れず私も就農後から丹波黒大豆を作付けしてきました。(まだ2回めですが・・・)

教科書的には、マメ科の輪作相手としてはコメ・ムギなどのイネ科が良いみたいですが、そもそも水稲はやりませんし、麦もとくに作付けする理由は持ち合わせていません(T_T)

畑のある場所はアライグマもよく出没する地域であり、トウモロコシをそれなりの規模で栽培しようとも思えません。(今年痛い目見ました)

そこで、サツマイモやジャガイモ、ヤーコン、菊芋、生姜といった根菜類と輪作するのはどうか、というのも考えましたが、それぞれの野菜の栽培上の事情から、「この野菜はこの畑のこの区画」で育てるのがベスト(連作前提)という考えもあり、丹波黒大豆との輪作で2箇所の畑を交互に、というのもできれば避けたいという考えがありました。

そんなことを数カ月間ずっと考えていたのですが、今日は思い切って朝の出荷の時間を遅らせ、朝起きたあとのクリアな頭で改めて冷静に状況を整理してみることにしました。

そこでまず考えたのは、同一圃場の同一畝で毎年丹波黒大豆を栽培するということを前提として、そのためにはどうすれば土壌のC/N比を高く保ち、腐敗ではなく発酵の土壌環境を維持できるのか、ということでした。

丹波黒大豆は6月中下旬に苗を定植し、12月に大豆として収穫して栽培サイクルを終えます。ほぼ半年間(暦年下半期)の栽培スパンです。ということは上半期が空いています。なので、この上半期の間に大豆前作分で出た窒素を土壌から減らせればいい、ということになりますが、当初はライ麦を使って吸収させようと考えていました。ですが、丹波黒大豆は1反くらいの作付け面積なため、その範囲でライ麦をやるのもそれなりにコストと手間がかかります。

そこでふと思ったのが、「雑草を使えばいいんじゃないか(雑草二毛作?)」ということです。

わざわざ播種する必要もなく、ムラ無く圃場全面に勝手に生えてきますし、丹波黒大豆作付け後に畝を耕耘せず春までそのままにしておけば、効率よく畝表層の窒素を吸ってくれるんじゃないかと考えました。ただ、生えてくる雑草がマメ科のレンゲやカラスノエンドウだったら話は別ですが。。


ついでに根粒菌について。

マメ科植物の根に共生する根粒菌としてはリゾビウムが代表的かと思いますが、これらは大気中から得た窒素Nと水素Hを、酵素ニトロゲナーゼの働きでアンモニアに変え、さらにグルタミンやアスパラギンといったアミノ酸(有機態窒素)に形を代えて植物に供給されるようです。

大豆の収穫が終わる頃、根粒の中にはどれくらいの割合で無機態窒素/有機態窒素が含まれるのか、根の外側(土中)にも漏れ出しているのか、といったことに興味があります。それによって畑での対処の仕方も違ってきます。

また、土壌のC/N比を上げるため、丹波黒大豆の苗定植前に管理機で微生物の餌としての炭素資材を浅くすき込む、ということも考え中です。

糸状菌が優位に働く生物相で、炭素をはじめ元素の循環が円滑に進めば、土の団粒化によって乾湿の振れ幅が小さくなり、発酵環境で虫は寄り付かず(=農薬いらず)、作物は元気に育ち(病気知らず)、炭素が十分に土壌に含まれることで必要以上に雑草が生えない、ということが現実化するかもしれません。

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